本堂左前に五尺程度の石造仏があります。これが女中観音です。
昔、大山参道として栄えた伊勢原の宿場には、飲食並びに旅籠などが多くあり、そこに働く多くの女中達がいた。
女中達はそのほとんどが貧しく、食い減らしや、親元を助けるために働くものが多かった。こうした女中たちが病で亡くなったり、身寄りがない者は無縁仏として、葬られていた。
時に享保八年(1732年)6月18日、宿場の女中衆が講中を作り、亡くなった女中仲間の霊を弔うために、僅かなお金を出し合って作られたのが、この【女中観音】であります。
いまでは誰からも忘れられていますが、毎年8月17日の観音大祭法要にて、御回向しております。